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【ご質問*11/12】自分の苦手なことに、どう向き合ってきたのか?


こんばんは★

本日より、先日12日(月)の「発達障害者等相談支援従事者育成研修」の講演“「生きづらさの言語化」から見えてきた支援”で、会場の皆様からいただきましたご質問にお答えします。

本日のご質問は、事前にご質問をいただいておりました「自分の苦手なことに、どう向き合ってきたのか?」、このご質問にお答えさせていただきます。

当日にも回答させていただいておりますが、いち当事者の困り感を知ってもらいたいと、少し詳しく回答させていただきます。

Q.自分の苦手なことに、どう向き合ってきたのか?

A.苦手なことはお片付けですが、これについてお答えさせていただきます。

1.片付けでも「後片付け」が苦手

これが今から4年半ほど前の自分の部屋の写真です。

いわゆる汚部屋です。

こんな部屋で生活していました。

しかし、「片付けなきゃ!」と思って片付けることはできて、キレイにはなるのですが、数ヵ月も維持できず、またこのような状態になるのを20年間ずっと繰り返してきました。

こんな部屋の状態を自分の中で疑問を感じることなく「当たり前」だと思って過ごしてきました。

こんな部屋だから探し物が見つからなかったりするのですが、社会人になるまでは探し物で苦労しようとも、忘れ物が多くても、平気でした。とくに気にも留めていませんでした。それが生まれてきてずっとこの状態でしたから。

しかし社会人になって困り感を感じるようになりました。

仕事に持っていく持ち物、たとえば財布とかネームプレート、筆記用具など、が見つかりません。

家に帰ってきて、ひとまとめにしないでバラバラに置いたり、使ったらもとの場所に置かないので、毎朝出勤時に「あれがない、これがない」と家探ししていました。

自分で置いた場所も覚えていませんから、自分の部屋のごみの山を搔き分けて探したりして、なんとか見つけたりしますが、そのたびに部屋がどんどん散らかっていきます。

ようやく見つけた探し物で安堵していられません。

こんどは遅刻しないように職場へ向かわなくてはなりません。

すでに出勤時間ギリギリだったりするので、とても急いだ運転になりますので、事故のリスクが高くなります。出勤後、こういう気持ちが高ぶった状態が平静を取り戻すにも時間がかかります。

遅刻すれば上司に怒られます。怒られるだけならいいですが、評価にも、給料にも、人間関係にも影響してきます。

探し物、失くし物、忘れ物。こういったものが、自分の人生に暗い影を落としているのが、社会人3年目くらいに気が付きました。

逆に言えば、「片付けができるようになれば、自分が感じている生きづらさの大半を解決できる」と思っていました。

まずは部屋の片付けをしてキレイにしようと頑張り、1週間くらいかかって部屋の掃除をしました。

しかし、しばらくしたら部屋は元通りの汚部屋になります。

この頃、ADHDのことを世間の人に知ってほしいと思って、汚部屋のお片付けを動画にしたものを配信しています。

こうした記録を編集している中で、「どうしてこんな部屋になるのだろう?」とふと考えました。

汚部屋になることを未然に防げれば、1週間かけて片付ける必要もないし、毎度のこと探し物・失くし物・忘れ物に苦しまずに、事故るリスクも避けられますし、仕事に影響しません。

よくよく部屋の散らかり具合を観察していく中で、なぜ汚部屋になるのかという理由がつかめました。

それは、

「後片付けができていない」からだったのです。

物を使ったら元の場所に戻す、これを後片付けといいますが、これが壊滅的にできないのが、自分の特性だということに気が付きました。

出したら出しっぱなし。必要なものも、ゴミも。

・汚部屋になる

・探し物

・失くし物

・忘れ物

すべての原因は「後片付けができていない」、この1点に尽きます。

逆にこれを克服できれば、こういった問題はすべて解決することが、自分の中で腑に落ちました。

だいたいの片付け本に書かれていることは、

「物の住所を決める」ということですが、筆記用具ならペン立てに戻すとか、かごを使うとか、オーソドックスな方法で実践しましたが、どれもうまくいきませんでした。

頭ではわかっていても、なかなかできないのが自分です。

WAISⅢの検査所見では、「全体をまんべんなく見て重要なポイントを見つけるのが苦手」と書いてありましたので、机の上に散らかっているものに照準を定めたりするのが苦手なのでは?と解釈しました。

どういうアイテムを見つけて所定の場所に戻すというよりも、戻す場所を見てどのアイテムが戻っていないかがわかるほうが、後片付けがしやすいのではと考えました。

そこで小物の管理はこのアイテムで行うことにしました。

ここでは型はめパズルを参考にしたツールを自作しました。

仕事に持っていく持ち物をパズルのピースとして考えて、ウレタンを切り抜いて、持ち物を埋め込むというものです。

木箱の背面には目立つようにと蛍光色を使っております。

この塗料は蓄光塗料でして、暗いところで発光する仕組みになっています。

出しっぱなしにしているとその分の光を吸収して暗いところで発光するので、寝る前の持ち物チェックに役立ちます。

小物類はこういった工夫で管理できるようになり、忘れ物や探し物に苦労することは減りました。

2.書類の管理が苦手

小物類とは別に苦手なのは書類整理です。これに関しても少しお話ししたいと思います。

職場では毎日、いろんな書類が出てきて机の上に置かれていきます。

これを捌くのがとても苦手です。どの書類をどのファイルにしまうのか、頭がこんがらがってしまって、そのうちしまうのが面倒になってしまい、机の上に書類が山のように積み上がります。

そうなると書類がどこに行ったのかわからなくなります。重要な書類がすぐに出てこないとまずいですし、机の上が書類だらけとあっては見映えもよろしくないということもあって、整理方法も見直しました。

まずファイルがいくつもあると管理がややこしいうえに、分類わけするだけでも頭が疲れます。カテゴリ別にファイルを分けて管理するというのは自分にはあっていないということがわかりました。

逆にどんな出来事が何月何日にあったということが正確に覚えていられるほうだという強みがありますので、どんな書類でも日付順に綴っていくことにしました。

そうすれば管理するファイルが1冊で済みますし、容量を超えれば、新しいファイルを作っていけばいいので、いろんなカテゴリのファイルに書類をしまい分ける煩雑さ、混乱する要素がなくなりました。

また毎日の業務予定表も同時に綴りますので、日付のない書類をいつもらったか把握しやすいです。いつ書類をもらったか覚えているので、綴られている業務予定表の日付を見たらどこを探せばいいかがすぐにわかるようにしております。

3.みっと流・苦手との向き合い方

自分にあった方法を見つけることが、苦手との向き合い方です。

これは石川県発達障害支援センターの通所で学んだことです。

私の相談支援を担当されていらっしゃる先生はこうおっしゃいました。

「じゃがいもの皮をむくとき、包丁を使ってもいいし、皮むき器を使ってもいい。どちらも、皮をむくことには変わりはないから。自分のやりやすい手段で、できるようにすることが大事です」

手段は人と違うことは決して悪いことではないですので、いかに自分に適合した方法、自分流を見つけるか、そのためには自分をよく知ることが大事です。

自分を知るためには自分のことを観察することも大事ですが、自分が発言したこと、行動したことに対する人からの評価も自分を知ることにつながると自分は考えています。

たとえば「出来事を正確な日付で記憶している」というのは、職場の上司の雑談や人との会話から知ったことです。

一見役に立たたなさそうな強みも知っていれば、活かせる場所もあります。

人から褒められたことがどんな些細なものでも、それが自分の強みだと思うことは大切にする。生きづらさの自己解決にも、自己肯定感を高めることにとても有効だと思います。

大人の発達障害を明るく語る会・ここらぼ みっと

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